考え方は作るもの

 今は「エコ」といえばもっぱら二酸化炭素削減だけど、もう少ししたら「生物多様性保全」みたいなのが加わると思う。孤島で鳥が一種類絶滅したからなんだ、干潟のハゼがいなくなったらなんだ、深海のわけわからん生き物がいなくなったらなんだ、そんなのに金を使うなら明日の食べ物が無い人を助けてやれよ、という考えは分かるし、僕自身、「エコ」という考え方を商業の道具のように捉えていたのだけれど、先日の学会で、(心の底から自然を愛しているからか、自分の仕事に金を出させる理由を作るためかは分からないけど)どうやって「生物多様性保全」を啓蒙していくかを真剣に議論していて、色々考えさせられた。そのなかでも僕にとって一番簡潔かつ説得力があると感じたのが

自然に色んな生き物が共存しているおかげで、毎日違うものが食える、地域ごとに違う食材がある、こういうのが心の豊かさを支えているのだ

という考え方だった。酒とか魚とか特にそうですよね。より専門的には、遺伝子資源がどうの、みたいな解説がよくされるみたいだけど、この考え方の方が直接生活に関係していて広まりやすいと思う。
 考え方は作るもの。ホントかどうかより、ホントだと思われるかどうか。これは、最近一日に5回は考えていることだ。viva洗脳社会。


 今日の晩飯は久々のしらす丼(スーパーでしらすが大安売りしていた)だったのだけれど、もう、これが美味すぎて、生物多様性に感謝しまくりだった。