Монгол

 無事モンゴルから帰ってきました。ロシアよりも断然インパクトのある旅だった。



 

とにかく草原が無限すぎる。最初は興奮していたけど、あまりにも毎日草原すぎて、最後のほうは早く草原から出たいくらいだった。結局無いものねだりなんですよね。

ランドクルーザーの正しい使い方。

大草原で見かけた教習車。車もまさかこんなところに連れてこられるとは思ってなかったに違いない。ロシアでもそうだったけど結構日本からの中古車が走ってる。日本で丁寧に扱われてきた車達にとっては、ここに来てからようやく実力の見せ所なのかもしれない。

草原だけでなく、ガも無限でした。

そして寝ている間に服に入り込まれて卵を産み付けられる。日本で同じことが起これば発狂ものだけど、トイレは草原、シャワーは川、洗濯も川、料理も皿洗いも川、電気もあったりなかったりのこの地では驚きの閾値が上がりすぎていてガの卵なんぞにビビっている暇はない。

朝は八月とは思えない寒さなのに、昼は普通に暑いので、コートから半袖まで一日で着られる。ちなみにこの日は朝雪が降って、山の上のほうでは雪が積もっていた(写真右のほう)。

草原に建つゲル。こんな場所でも遊牧して生活している人がいるのだ、ということを考えるたびに世界の広さを感じずにはいられなかった。日本で締め切りに追われる生活をしているとここの人達の生活が想像できないように、草原で羊を引き連れている人達を見ながら「今頃日本ではみんな働いてるんだろうなぁ」というのを想像しようとしても想像できなかった。海外に行くなら「時間の流れ方が全く違う場所」を敢えて選んで旅行をするのが面白いと思う。

田舎の町に行くとみんな自転車感覚で馬に乗っていて面白い。

一方で馬からバイクに乗り換えた人もいた。服装は馬のときのままだ。帽子は?
 実は大草原に建っているゲルの入り口に車が停まっていたりする光景が珍しくなくて、不思議に思ってよく観察していると、どうやら遊牧民には二種類あって、「自分の生きていく分だけ家畜を放牧して満足している人」と「効率的に家畜を増やして、それを売って富を得ている人」がいるみたいだった。足るを知るのと、便利な生活を得るのと、どちらが幸せなのか、日本人なら十中八九、草原の生活に飽きて、後者の選択をするのだろうなと思った。

そしてシベリア鉄道再び。

ロシアからの国際路線なので、ドリンクメニューはモンゴル語、ロシア語、英語の三カ国で表記してあった。そういえばモンゴルではかなり田舎に行っても(単語レベルだけど)英語が通じた。ロシアでは街にいてもone,twoすら分からない(分からないフリをしているのかも)人ばっかりで、買い物も大変だった。英語って凄い。

この柵の向こうはロシア。国境って意外に質素なんだなぁ。

ウランバートル全景。街を見てほっとしてしまって、やっぱり自分は街の人間なんだ、と思った。やっぱり街の生活は便利だ。今回の旅で一番感じたのは、「大自然の中で自分がいかに何もできないか」であった。電気も水道もガスも、車も電話もスーパーマーケットも、全部、本当に凄いことだと思う。

ウランバートルで買い物したときに貰った買い物袋。中国で作って日本に運ばれる前に誰かが持ち出してモンゴルで売りさばいたと想像。

マウンテンバイクの国際大会やってました。有名な人も居たみたいだけど僕には分からんかった。


 そんな感じです。とりあえず6月から続いた海外シリーズ終わり。通算した感想としては、「もっと現実を見たい、だが全てを見ることは絶対に出来ない」という感じだ。今回、草原を見ながら色々考えたが、僕には基礎科学の研究者としての適性が無い気がしてきた。基礎研究は僕にとって抽象的過ぎて現実離れしている気がするからだ。人間が生きている現場こそが現実であって、僕はもっと現実が見たいと思う。色々考えることがあるので、このことに関してはまたいつかまとめたい。