まぁ、練習だし

 就活で、本命のシンクタンクの選考が始まる前に試験や面接に慣れておこうということで、選考が早い会社に色々応募してみている。そういうわけで今日は外資コンサルティング会社の筆記試験を受けてきた。以下、「大学への数学」の受験報告風に。


 結果からいうと、惨敗した。試験始まる前に隣の席に座っていた自信なさげなやつと目が合ったから、自信満々の目で睨み返してやったんだけど、実は自分も相当自信が無かった。どんな問題が出るかを調べた程度で、全く対策していなかったし、すでに他の会社で何戦か経験している奴もいるらしいことが、試験会場で大声で喋るウザいグループの会話から聞こえてきたからだ。まぁ「練習」だし、楽な気分で受ければ良かったんだけど、こいつらに負けるのなんて嫌だなぁという、妙なプライドの発生もあって、無駄に緊張した。
 開始前にマーク式の解答用紙が配布されたので、問題数を数えると、1時間で40問、1問1分半の計算で時間的に相当厳しいことを悟る。これは捨て問を効果的に捨てる能力が試されるな、などと大学受験のときのことを思い出しながら考えていると、試験開始(0分)。まず問題の全容を確認。数学能力を見るパズル的問題と、国語能力を見る論説文の問題が2:1の割合で織り交ぜられている感じ。特に簡単そうな箇所は見つからなかったので平凡に一問目から解くことに。
 パズル的問題は「このなかに一人だけ嘘つきがいます」とかそんな感じ。こういう問題の基本的考え方はある程度知っていたので、一応手は動くのだが、なんせ時計が気になる。これ1問1分半って無理じゃね?とりあえず後半が簡単な問題で埋め尽くされていること(そんなわけないけど)を期待して、一問一問丁寧にやる(10分)。国語的問題は、「筆者の主張をまとめた選択肢はどれか」という感じの問題。論理が読み取れれば人の気持ちが読み取れない人間でも解ける問題だったので、センター試験国語の大問2(小説)の、登場人物の気持ちを読み取る糞みたいな問題のように苦しまなくてすんだ。
 そんなこんなしていると、「あと30分です」のアナウンスが(30分)。え、まだ1/3しか解いてないんですけど。脳はすでにレッドゾーンに入っていて、これ以上のスピードアップは不可能。このままでは最後まで目が通せない。そこで「簡単そうに見える」問題に先に答える作戦に変更することにし、問題用紙をめくっていく。
 だが、この作戦が泥沼への入り口だった。残り時間20分の地点で、悪魔の問題にさしかかる(40分)。その問題は、「時速何キロで歩いて何分後にどうのこうの」というシンプルな問題で、他のパズル的問題に比べて簡単に解けそうだった。早速計算に取り組み、30秒程度で難なく答えを出す。「よしよし、ちょっと遅れを取り戻した」と思いながら、「どれをマークすればいいんだ?」と問題用紙を見ると、なんと僕の出した答えが選択肢にない。一瞬固まる。そんなはずはない。もう一度問題を読み直し、計算する。やっぱり同じ答えだ。この時点で、この問題に2分近く費やしてしまっていた。おかしい。ここで冷静ならば、今はいったん飛ばして、後でもう一度この問題に戻ってくるのが正解だろう。だけどこのときの僕は、「この問題はみんな正解するハズの問題で、2分も使ってしまった以上解ききる以外ありえない」という、コンコルド効果的な思考に陥ってしまい、さらにこの問題に深入りしてしまった。結局、4分くらいあれこれ考えたが、答えは出ず、モヤモヤを残したまま、しかたなく次の問題に移る。しかし、もはや残された時間は15分余りで、手をつけてない問題は15問以上。「チーン」と頭の中で聞こえた(45分)。
 その後、異常な精神状態の中で、なんとか問題に優先順位をつけて、簡単そうなのから解く。もうなりふり構わずそこらじゅうの余白に筆算を書き殴った。残り一分で未回答の問題に適当にマーク。最後に「悪魔の問題」がどうしても気になって戻ってみたら、問題の読み間違いに気づき、死にそうになりながら計算を開始したところで、タイムアップ(60分)。後味悪すぎだろハゲが。終了合図があってもしばらく手を動かしていた隣の自信なさげな奴をもう一度睨んでから、鉛筆を置いた。
 7割くらい回答したつもりでいたけど、実質正答は6割くらいだろう。試験終了後、大声で喋るウザいグループがヘラヘラしながら「俺8割くらいしか解けんかったわー、お前は?」「俺もそんなもん。だけど時間無かったしみんなできてないんじゃね?」みたいな会話をしていてムカついたので、会場付近の本屋で適当に時間を潰して、乗る電車をずらして帰った。落ちたな。