考えることと悩むことは違う

人間の脳の状態は、睡眠状態、停止状態、煩悩状態、思考状態の4種類に分類できると思う。

睡眠状態

 これは文字通り、眠っているときの脳の状態だ。意識が無いので、もちろん脳活動も行われてない。睡眠時間って無駄なように思われるけど、昼間の脳のパフォーマンスを維持するためには、平日6時間、休日8時間くらいの睡眠をとらないとダメな気がしている。それから、気持ちよい目覚めを実現するためには、目覚めてすぐに布団から出るのではなく、目覚ましが鳴ってから30分くらいは布団の中でふわふわ考えている時間を作れることが必要だと最近思う。ホルモンかなんかの働きなんだろうけど、目覚めてから体が温まるまでにはそれくらいの時間が必要だ。

停止状態

 これは、起きてはいるが意思が無い状態のことだ。ボーっとテレビを見ているときやボーっと歩いているときのように、上の空な状態はもちろん、スポーツに打ち込んでいるときや感情的な態度に走ってしまっているときのように、何かに夢中になっている状態もこの停止状態にあたる。テレビを見たりスポーツをしたり愚痴ったりすればスッキリできるように、停止状態は、イライラを解消する一番手っ取り早い方法として有効だ。一方で、「脳は放っておくと停止状態になろうとする」ということを自覚しておかないと、そこから抜け出せなくなってしまう。世の中にはテレビやネットのように、脳を停止状態にさせようとするものに溢れている。

煩悩状態

 これは、意思はあるが悩んでいるだけ、という状態だ。何かやりたいことがあって、あーでもないこーでもないと、一生懸命考えている気になるんだけど、結局前進は無く、何も解決しない。生産性皆無の、人生において最も無駄な時間だ。同時に、自覚しにくいという点で、最も厄介な時間でもある。煩悩状態が発生する原因は、目的意識が明確に持てていないことだ。「今自分を悩ませているものは一体何なのか」という問いに、言葉で答えられなければ、永久に煩悩から抜け出せず、問題が解決されることもない。

思考状態

 思考状態は、確固とした目的意識のもとで、論理的な方法で問題に取り組んでいる状態と定義できる。解決策や新しいアイデアはこの思考状態からしか生まれない。つまり、脳の生産性を高めるためには、思考状態の時間を最大化するように努力しなければならない。思考状態を維持するのには多くのエネルギーが必要だ。脳は放っておくとすぐに煩悩状態や停止状態になってしまうからだ。どうすれば思考状態を保つことができるのか、というのは、まさに今考えていることなんだけど、「思考状態に慣れる」ということ以外の解は無いように思う。

まとめ

 脳がとりうる4つの状態のうち、思考状態の時間を最大化するように努めるべきである。睡眠状態は脳のパフォーマンスを保つために必要であり、停止状態はストレス解消に有効な方法であるが、煩悩状態は有害無益であり、目的意識を明確にすることで回避しなければならない。