コンサル・シンクタンク・省庁の違い

 本命の会社の面接が迫りつつある。このために10月から馬鹿みたいに外資にエントリーしまくって練習してきた。もうあとは神に祈るくらいしかすることがない。
 ところで、コンサルとシンクタンクの違いについてまとめると言っておきながら、まだやっていなかった。あと、志望動機を語るときのFAQとして、「官僚は目指さないの?」というのがあるので、それへの回答も含め、ここで社会に出たことのない学生による、独断と偏見にまみれた「コンサル・シンクタンク・省庁の違い」をまとめてみようと思う。
 

コンサル

 「企業や官公庁の課題解決のサポート」というのがコンサルに対する一般的な解説だ。他の二者(シンクタンク・省庁)に比べての特徴は「課題が短期的で具体的である」という点だ。民間企業相手であれば、あるサービスの売上を伸ばしたり、従業員のモチベーションを改善したりといったことがケースとして挙げられるし、官公庁相手であれば、ある技術の海外輸出戦略であったり、教育機関と民間企業の連携といったことがケースとして挙げられるだろう。それぞれのプロジェクトは数ヶ月から、長くても数年単位で行われ、会社によっては一人が同時に複数のプロジェクトチームに配属される場合もある。したがって、業種・職種を問わず、幅広い業界のケースや人材に触れることができる。具体的な問題に取り組みたい人や、社会を幅広く知りたい人に向いている職業であると思う。

シンクタンク

 「長期的・俯瞰的・専門的に社会を分析し、未来を予測する」というのがシンクタンクの仕事だ。顧客は主に省庁であり、委託調査を引き受けたりもするし、積極的に政策提言を行ったりもする。コンサルとの違いは「大きな社会問題」を相手にしているということだ。具体的には、排出権取引の問題、少子高齢化の問題、地域医療の問題なんかが挙げられると思う。あとは海外市場の動向だったり、最新の科学技術の動向を追うことを専門にしている人もいる。専門性が重視され、基本的に「一つの専門分野に一生を捧げる」スタンス。長期的な視点で社会を分析したい人や、自分の専門性を活かして仕事がしたい人には向いている職業であると思う。

省庁

 先述の二者と比べた最大の違いは、「分析屋でなくプレイヤーである」ということだ。先述の二者は基本的にアドバイスあるいはサポートが仕事であり客体的であることが求められるのに対し、省庁は政策を立案・実行し、世の中を円滑に回しより良い方向へ変えていくため主体的であることが求められる。日本の中枢として無くてはならない存在であり、社会的に大きな影響を与える現場に立ち会うことができる。その一方で、大きなモノを動かす分、大組織としての弊害もある。コンサルやシンクタンクに比べれば、実力主義よりはルール主義であり、自由度や敏捷性も低く、縦割り的な問題も大きい。向いているのは、「日本の中枢に関わりたい」「日本を変えたい」という使命感に燃える人であると思う。

で、

僕が行きたいのは、シンクタンクなんだけど、その中でも「コンサルティング部門」という、コンサル寄りの仕事をしている部署に行きたいと思っている。これは早い話が、シンクタンクとコンサルの良いトコ取りをしたいということだ。自分はコンサルタントとして具体的な課題に取り組み、色んな業界・業種に触れる経験を積む一方で、シンクタンクの専門家とも連携し、短期的な視点だけでなく長期的な視点も取り入れたコンサルティングを行う、というのが理想だ。顧客にしても、目先の問題の解決のみならず、高齢化社会環境政策を絡めた俯瞰的で長期的な戦略を提案してくれるほうが嬉しいだろうし、シンクタンクの専門家にしても、自分達がデータに基づいて予測した未来をカタチにしてくれるコンサルの仕事は嬉しいだろうと思う。そして僕は「社会の仕組みの根本にあるものを見る力をつけたい」という欲望を満たすことができる。まさにwin-win-winで楽しすぎるでしょ!
 一方で、僕は官僚には向いてないだろうと思う。まず大組織というのが僕には無理。そして何より僕は「プレイヤー」には向いていない。なぜなら、プレイヤーである時点で、当事者となってしまい、外からものを見ることが出来なくなってしまうからだ。僕は常に最高に中立で俯瞰的で独立した立場に立って、世の中を見たい。それは世の中の仕組みを見ることが僕の目的だからだ。プレイヤーでなければ自分の力で物事を変えることはできないが、それでもいい。コンサルを虚業とか高みの見物と言う人もいるが、それでも僕はアドバイスとサポートに徹したい。客観に徹する人にしか見えないことが必ずあるし、そういう視点を求める人がいるからこそ、コンサルティングという職業が存在するのだ。
 そもそも僕には、「日本を変えたい」みたいな大それた使命感は無い。20年ちょい生きたくらいでそんなことを言えてしまう自信があるということが僕には想像不可能だ(皮肉ではない)。まずとにかく僕がやりたいことは「社会を見る力をつけること」、これに尽きる。僕が「日本を変えたい」とか思うとしてもその後だ。まずは自分のこの鼻糞みたいに小さい視野を広げたい。そしてそのためにはどうしてもシンクタンクに入らなければならない。神様マジ頼むわ!