ツールドフィッシュ

Natureに面白い記事が載っていました。
魚の群れも自転車のように先頭交代しているという研究。前を牽く個体は後ろに付いている個体よりも12%ほど多くの力が必要で、疲れてくると後ろに下がってスリップストリームに入って休憩するらしい。で、群れ全体での効率が最大になるように、みんなで交代しながら移動するとのこと。筆者らは、魚が自分の泳ぐ速度よりも早すぎる群れに入ると付いていけないし、遅すぎる群れに入ると牽かなければならなくなるから、自然と群れごとに違う速度の個体が集まって、違う速度の群れができるのではないかと考察している。さらに筆者らは、早い群れではみんな元気だから前を牽きたがるし、遅い群れではみんなが後ろに付きたがるような動きをするだろうと予想している。
 協力的な集団では必ず裏切り者が発生するというのは生物学ではよくある話(働かない蟻、花粉を運ばずに蜜を奪う虫、癌細胞など)なんだけど、この場合はどうなんだろう。やっぱり前を牽かずにズルをする個体とかいるのかな。


同じ記事の解説↓
Fish swim as if they're riding bicycles
Keeping pace in the Tour de Fish