キリギリス恐怖症
修士論文提出締切2ヶ月前を前にして、論文の文章はほぼ完成。が、図表の作成や裏づけデータの収集、引用文献の整理に想定をはるかに超える時間がかかることが判明し、修論の第一版を締切2ヶ月前に完成させるという大いなる野望の達成が怪しくなってきた。それでも、泊り込みでリポDを大量装填してでも、来週中には絶対完成させる。
こうやって早めにしんどい目にあっておく事で、本当の締め切りの前に苦しまなくて済むようにする、ってのが僕のいつものやり方だ。そういうのを見て、「キチっと計画立てててえらいね」とか言う人もいる。違うよ。全然ちげぇ。僕にとって、締切直前に追い込まれることで精神に余裕が無くなり、強制的に徹夜を強いられ、自分で完全だとは言えない状態で結果を提出することは、2ヶ月前に自分の意思で自分を追い込み、自分の意思で徹夜して、心行くまで完璧な結果を追求することの1000兆億倍苦しいし、想像するだに恐ろしく、鳥肌が立つこと(今書いてて本当に鳥肌が立った。マジで)だから、全力の打算によって僕は計画を立て、自分の意思で自分を追い込む選択をしているのだ。
むしろ僕から言わせれば、ぎりぎりまで仕事を放置しておいて、締切直前に強制的に追い込まれることによって、一気にやってしまうほうが、無駄な完璧を追求してダラダラと仕事をするよりも、よっぽど時間対効果が優れているだろうし、そうやって、直前に追い込まながらも、徹夜でもなんでもしてなんとか合格点の仕事を仕上げてしまえるスタイルの人は、僕よりも全然効率的でタフで、すごいと思う。ちなみに僕も一度だけ致し方なく締切に追い込まれて「間に合わん死ぬ!!」って徹夜をしたことがあるけど、そのときの僕の状況がこれ。もう本当に死ぬかと思ったし、二度と、絶対にやりたくないし、やらないと誓った。
そしてその結果生み出されたのが、締切によって強制的に苦しめられる前に「自分の意志で」自分を徹底的に苦しめておかないと安心できないという、この異常な性癖だ。「世の中に楽なものなんてないのだから、とりあえず早めに苦しいほうを選択しておくのが正解」という思想を信仰し、苦しくないと不安になる。まぁ結局マゾってことですね。キリギリス恐怖症と呼ぼう。