もはや論文は自己表現だ

 論文の投稿へ向けてラストスパート。博士進学をしないことに決めた今、修士の研究の論文を国際誌に投稿するのは自己満足以外の何でもない。なんの業績にもならないし、誰かに評価されるわけでもない。卒業はできるのだから、残りの2ヶ月何も考えずに遊んでいても差し支えない。投稿すれば就職後最初のゴールデンウィークはリビジョンで潰れるだろうし、もしかするとそれまでに新しい仕事が忙しすぎてノックアウトしているかもしれない。
 が、これは命を懸けて成し遂げなければならない仕事だし、成し遂げることによって糧になる仕事だと確信している。自分で始めた研究、論文をまとめあげ、査読を通り抜けて世界に発表することは、けじめでもあるし、これを成して初めて自分の研究生活を語る資格が生じ、修士課程に進学した意義を自分に与えることができるようになるのだと思う。来月、24歳だ。気づけばどんどん歳をとっていくけど、僕はこれまでこの世に何も残していない。なんとか20代前半が終わる前に、世に誇れる自分の仕事の証を残して、少なくともある分野では一人前なのだと言えるようにしたい。