インド デリー編

昨日の続き。

↑夜行列車でコルカタからニューデリーへ。列車内で昨晩のコルカタの宿で部屋に置いていた日本のお菓子をホテルの従業員に盗まれていたことに気づく。糞野郎。で、列車内の食事はまぁ、機内食的な感じで普通。向かいの席のサラリーマンのおっさんと少しだけ雑談して就寝。夜中に目を覚まして窓の外を何度か見たのだけど、驚いたのは夜の2時だろうが3時だろうが、田舎の通過駅のホームに人がいっぱいいたことだった。ここの電車は24時間で走っているらしい。しかしどんだけ人口多いんだ。

↑で、朝を迎えてニューデリー駅へ到着。ここは大陸気候で、夏は50度近くいくらしいけど、この時期はコートが無いと寒い。ところで、朝方窓の外を見ていると、線路沿いで野糞してる人が多数いて、みんなこっちにケツを向けてブリブリしてた。で、列車の速度が落ちてきて、よーく線路の上を見てみると・・・ウンコだらけ!!本当に、並べられている枕木の10個に1つは人のものか犬のものかわからないウンコが鎮座してた。乾いたのも、新しいのも。中には目印のような、コンクリートが少し高くなったところに誇らしげに残されたブツもあった。日本で1年に見るウンコの数を1時間で軽く超えたと思う。そして一体どこでケツを拭いているのか。おそろしー

↑で、駅で降りて、地図を買う。駅前の旅行業者的なところで「地図をくれ」と言ったら50ルピー(約70円)と言われ、そうか、と思って何の疑いも無く払ったけど、後で気づいたらその地図はタダだった。うかつだった。腹立たしい。その後、地図を見ながら目的地に歩くのだけど、迷う。まずい。ここではマゴマゴ不安そうにしている素振りを見せるのが一番危険だ。そうこうしていると、早速そばを歩いていた男に話しかけられる。男「どこへ行くんだ?」俺「(地図を指差して)この場所へ行きたいけどどっち?」男「そこへ行っても今日は閉まっている。金曜日は街の多くの観光名所が休みだ。今日開いている場所を紹介している場所があるから連れて行ってやる」となった。あやしー。けど、面白半分でついていくことにした。すると、狭い路地裏にある、怪しげな旅行代理店に連れて行かれ、入ると男に取り囲まれて、「観光案内か。プランを立ててやるからまずはこちらへ」みたいなことを言われ、机と椅子だけの小さい部屋に案内されそうになった。ここで入って鍵を閉められたら終わる、と思い、「いや、自分でなんとかやりくりするんで大丈夫です」といって出ようとするのだけど、なかなか出してくれない。こちらもしばらく抵抗していると、なにやらヒンドゥー語で僕のことをみんなで小馬鹿にし始めたようなので、こっちも日本語で「あっちいけ」と言って振り払って出てきた。結局、なんとか自力で目的地に着いたのだけど、どの観光地も普通に通常営業してた。嘘つき野郎どもが。

↑そしてインディアンゲートへ。ここは観光地化しているので、物乞いや押し売りに溢れていてとてもゆっくりできなかった。いきなり服にワッペンを貼り付けてきて、「donation!」とか言ってくるババァとかいるし、もうカオスだった。写真だけ撮って撤退。ちなみにここで警官にバス停の場所を聞いたのだが、その警官は明らかにその場所が分からない様子だったのにもかかわらず、「こっちのほうだ」といって指をさした。結局バス停は自力で見つけたのだけど、警官の指差した方向とはまったく見当違いな方向にあった。分からんなら分からんって言えや。

↑red fort。きれいな場所だった。この場所は入り口にセキュリティーゲートがあったので、中に入るとウザい押し売りもおらず、気が楽だった。が、入場料をあらかじめチェックしていなかったせいで、チケット売り場で「300ルピー」と言われてチケットを買ったら、後になってチケットには「250ルピー」って書いてあり騙されたことに気づいた。観光地の窓口だからと思って油断してた。どいつもこいつも信用できぬ。一方で、良い人にも出会った。この場所に向かう途中でメトロに乗ったのだけど、そこの自動改札に切符を吸い込まれてしまい、改札内に閉じ込められるというトラブルがあり、駅員に事情を説明するも、忙しそうで機嫌悪くて全然取り合ってくれないし、途方に暮れていたところで、30代くらいの男の人が「どうしたのか?」と聞いてくれて、英語で事情を説明したら、それをヒンドゥー語に翻訳して駅員に伝えてくれて、それでようやく事情を把握した駅員に改札から出してもらうという出来事があった。どこの国にも数%は悪い奴がいて、この国は人口が多すぎてそれが目立ってしまうだけだ。大半は良い人なんだと思う。でも、ろくでもないやつは本当にろくでもないんだけどね。

↑デリーでは歴史があるというレストランで食事。これは美味い!インド料理は基本的にスパイスが効いていて美味しくて、ノープロブレム。手で食うのもすっかり慣れた。まぁ辛いの元々好きだしね(これが旅の後半になるとそうとも言えなくなってくるのだけどね。。)ところで、このレストランへは日本に来ているインド人留学生に紹介してもらったインド人と行ったのだけど、彼との待ち合わせ中にもトラブル発生。一人で公園で待っているといきなり電話中の大学生風の男に「ペン持ってないか」と話しかけられて、でまあそれがきっかけとなって相手の電話が終わった後で雑談になったのだけど、最初はお互いの出身地や専攻の話をしながらフレンドリーに盛り上がっていた。で、そのうち、「次はどこへ行くの?」という話になったので、「明日はタージマハルへ行くんだ」と言ったら、「タージマハルへのバスのチケットはもう買ったか?明日行くのなら、今日買っておかないと間に合わない。今午後7時だが、チケットオフィスは7時半に閉まるので、急がないと明日行けなくなってしまうよ!」と言う。続けて、「もし電車で行こうとしているのなら、それは間違いだ。タージマハル方面の電車は激混みで、とても観光客が乗るもんじゃない」と言う。ここまで来てタージマハルへ行けないとなるとそれはかなり痛手なので、不安になり、「バスのチケットを買う場合、どこのオフィスで買ったら良いんだ?」と聞いてみた。すると彼は口で道を説明し始めたんだけど、僕がさっぱり理解できていないのを見て、「じゃあ俺が連れて行ってやるよ!」ということになった。わざわざ案内してもらうなんて申し訳ないな、と思いつつも、彼についていく。彼はどんどん進み、暗い路地裏にさしかかった。しかも彼はその途中でやたらと電話をかける。「ガールフレンドがたくさんいて大変なのさ!」と彼は言うのだけど、僕は不穏な空気を感じはじめる。危ないかもしれない。ここで名案を思いつく。その日一緒に晩飯を食べる予定のインド人の友人(待ち合わせの相手)と明日一緒にタージマハルに行くことになっていたので、「明日タージマハルへは友達と一緒に行くのだが、彼にチケットはどうしたのか電話で聞いてみる」と言い、電話を彼にかけることにした。電話で彼は「電車のチケットを二人分確保してあるから安心しろ」と言っていた。電話を切る。大学生風の彼は「電話の内容はどうだった?」と聞いてきた。もし僕がここで明日電車で行くことを話すとまた「電車は混むからやめたほうがいい」と言いそうだ。だから、「もうバスのチケットが確保してある」と嘘をついて、「ここまで案内してもらってごめんよ、邪魔してしまって」といって、申し訳なさそうな顔をするメソッドを展開して、路地裏に連れ込まれる前に彼と別れた。彼も「別に君からお金を取ろうとしているわけじゃないよ」とすこし不機嫌そうだったが、もう何を信用していいか分からなかったので、good byeをいって強制退散。後になって分かったのだが、バスのチケットが前日予約だというのも、電車が満員だというのも嘘で、現実は指定席の列車で快適に移動できました。にしても、大学生風の彼、一体どこからどこまでが嘘だったのか。前半のフレンドリーな段階から嘘をついていたとしたら相当巧みだし、途中から嘘をつき始めたのなら、なぜ楽しく話していた相手を騙して路地裏に連れて行こうとしたんだろう。まったく、何も信用できん。

↑で、次の日。友達の友達インド人とタージマハルのあるアグラという場所へ。まずはアグラ城。この場所は観光地なので、とにかく押し売りがウザすぎる。中に入ってしまえばセキュリティーがあるので静かだけど、その外は戦場。「タージマハルのパンフレット買ってくれ!」と言ってくるのがいたので「いくら?」と聞いたら「200ルピー」と言う。「いらない」と言うと、「150に負けるから!」と言う。それでも「いらない」というと、「100で良いから買ってくれ!!」と言う。無視して歩いて行くとまとわりついてきて、「50!」「30!」「20!」しまいには「10!10でいいから!」と言ってくる。200が10になるなんて!!お前なんかから買うわけないだろが!そして、別の場所で連れ込まれたお土産屋では、ドアを開けると商品が置いてある小さい部屋に入れられて、元来たドアの鍵を閉められて押し売りが始まり、ようやくそこを断ったと思って先のドアを開けるとそこも小さい部屋で、同じく元来たのドアを鍵を閉められ、押し売りされ、そこを断るとまた次に小さな部屋が現れ・・・というのが続き、「このまま最後の部屋に出口が無かったらどうなるのか?」という恐怖体験をした。結局、6個目の部屋の次が外に繋がっていたので助かったのだけど。。あれは一緒にいたインド人も怖かったと言っていた。まったくとんでもない。

↑アグラ城より。遠くにはタージマハルが!でかい!!

↑綺麗な庭園

↑細かいところまで凝ってあります。よー作ったなぁ。

↑そしてついにタージマハルへ。ここはすさまじい外国人(逆)差別があって、外国人は入場料金がインド人の37倍(!)する代わりに、並ばずに入れる。インド人は入場料は安いが、2時間はゆうに越える行列を並び、ようやく入場したと思ったら、中でも一つ一つの場所に入場するのに並ばなければならない。外国人は全部素通り。露骨!

↑ゲートを潜り抜けると・・・

↑ついにきた!でかい!とにかくでかさに感動。これが墓なんて、信じられない!今まで訪れた多くの観光地の中でも、ここは特に感動した。

↑でかいだけじゃない。この細かさ!こんだけでかいのに、すべての場所に緻密な装飾がほどこしてある。よくこんなん作ったわほんま。すごすぎる。

↑正面の写真が主流だけど、実は斜めから見るのも結構良いことに気づいたり。とにかく、ここにこれただけでインドに行った甲斐があった。大満足!

↑気分が良かったので、帰りに寄った楽器屋で太鼓的なものを購入してしまった。で、その後デリーに戻るのだけど、着いたのが深夜で交通機関がストップしてたおかげでタクシーの客引きに取り囲まれて大変な目に。一緒にいたインド人も先が読めない感じになってて大変だった。なんとか宿に着くと、首都だと言うのに停電するしお湯は出ないし、持ってきたライト大活躍。そして次の日の早朝、国内便で南インドに飛ぶ予定だったのだけど、ここで最後の大トラブル発生。予約しておいたタクシー運転手からは「4時半発で十分間に合う」と言われていたのだけど、それではちょっと危ない気がして、余裕を見て4時に来させてたのだけど、これが命拾いになった。早起きさせられて不機嫌な運ちゃんに、持っている航空券に示された「ターミナル1」に行くよう頼んだのだけど、運転手は「この航空会社なら必ずターミナル3発だ。よく観光客は間違えるんだよ」と言う。僕は「タクシー運転手のほうが良く知っているだろうからそうなんだろう」と思い、「じゃあターミナル3で」と言った。ターミナル3に着き、早速電光掲示板を確認するのだけど・・・乗る予定の便が無い。「あ、やっぱそうだったか」と思った。空港職員に聞くと、案の定「チケットに書いてあるようにこの飛行機はターミナル1発だよ。かなり離れているから、あまり時間がない。急いだほうが良い」という。全く、あの糞タクシーが!4時半発にしていたらどうなっていたことか。で、早速ターミナル1行きのバスを探すのだけど、バス乗り場の人に事情を説明すると、「どう考えてもバスじゃ間に合わないからプリペイドタクシーを使え」という。一人でタクシーを使うのはできるだけ避けたかった。なぜなら、インドのタクシー運転手は道の途中で止まって「この先行って欲しけりゃ追加で金払え」みたいなことを平気ですると聞いていたからだ。でも、この飛行機に乗り遅れたらこの後の日程が丸つぶれになり、死ぬ。ほかに選択肢はない。しょうがなく、200ルピーでプリペイドタクシーのチケットを買った。買ったら待ち構えていたタクシードライバーにすぐに捕まり、オンボロタクシーに「乗れ」と言われる。僕は事情を説明し、「可能な限り急いでくれ」と言った。タクシー運転手は「分かった」と言い、ぶっ飛ばしてくれた。確かに、ターミナル1と3の間は相当離れており、バスでちんたら行ってたら間に合わなかっただろうと思う。タクシーは隙間を縫うようにして周りの車を追い越しまくる。その間も僕は、全力で「このタクシーが本当にターミナル1に向かっているのか」ということに注意を向けていた。警戒心を掻き立てられるこのサバイバル感!まさしくインドで味わいたかったことだ。だけど、今はそれどころじゃない。で、幸運なことにタクシーは無事ターミナル1に着いた。なんとか飛行機に間に合いそうだ。タクシーの運ちゃん、飛ばしてくれてありがとう!深く礼をして、チップでもはずんでやろうかと思っていた矢先、タクシードライバーが言った。「お金、200ルピーちゃんと払ってやー」て。「え?」と僕は思った。だって、すでにプリペイドで200ルピーを払っているはずだからだ。僕は事情を説明し、「もう払ったじゃないか」と応じた。すると運転手は「このターミナルに発着するすべてのタクシーは空港税(airport tax)を払わなければならない。それが200ルピーだ」と言ってきた。タクシー料金と同じ金額の空港税?なんじゃそりゃ!「そんなもんあるわけない」と思った僕は、出しかけてたチップを財布に戻し、無視して歩き出した。すると運転手がついてきて「払わないのかよ!」みたいに怒鳴ってきた。「急いでるんだ!」と言うと、「じゃあ今すぐ払えばいいだろ!」と言ってくる。人の弱みに付け込みやがって、こいつは本当にクズだ。「じゃあ周りの人に『空港税』について聞いてみていいか」と聞くと「おう、聞いてみろよ」と言うので、「さてどうなるかお楽しみですねー」と思いながら、タクシーの交通整理をしていた空港職員に「空港税って何ですか」と聞いてみた。その職員が「なにそれ?」みたいな顔をしていたので、「いや、あそこにいる運転手が・・・」と指をさそうとしたら、クズ野郎はすでに逃亡した後だった。ざまぁ!!そして、なんとか予定の飛行機に滑り込みセーフ。無事南インドへ飛び立ったのでありました。

いやぁ、もう、サバイバルは十分です。次回は最終回、南インドケララ編。ケララではツアーに申し込んでいたので、のんびり観光地をめぐる旅。そしてついに腹を壊します。