人生を懸けてますか


2014初日の出ダイヤモンド富士

 あけましておめでとうございます。ブログ更新しようと思いつつ、なかなかチャンスがなくてウダウダしている間に年を越してしまいました。忙しかったといえばそれまでだけど、たまに過去の記事を読み返してみると、初心に帰れたり、やる気を分けてもらったりして、やはり自分の経験したことや感じたことを「熱いうち」に文章として書き溜めておくことは必要だと実感。というわけで、自分の思考の記録として、今年もできるだけ書いていきたいと思います。ってことで早速、最近考えていることと、2014年の目標をここに書いておきたい。

 今年は一言で言えば「真に人生を懸けてやること」を決める年にしたい。ここまで2年弱会社員をやってみて、色々と感じることはあるんだけど、特に以下の2つを良く考える。

  • 会社員には人生を懸けるレベルで仕事してる人がほとんどいない
  • 「子供の誕生」の「人生一区切り感」が想像以上

 まず一つ目。要は「土日もやりたくなるくらい仕事に夢中になれてますか」という問いなんだけど、会社員でYESと答えられる人はほとんどいないんじゃないかと思う。なんだかんだいって雇われの身、数字が最終成果で、限られた時間・予算の中で最大効率を出すことが求められている中で、必要以上の努力をする理由が特にないのだから、早く帰れそうな日があれば早く帰りたいし、土日をつぶさなくて良いのならつぶさずに済む方法を選びたくなるのはしょうがない。もちろん、成果が危ぶまれる場合は土日を潰すこともあるけど、それもあくまで「顧客の要求水準を満たすため」であって「心からやりたいからやってる」訳じゃない。仕事は仕事、私事は私事だ。研究をやっているときには当たり前だった、朝から晩まで、寝ても覚めても「やりたくてしょうがないです」ってレベルで仕事してる人は見たことがない。
 これまでの人生、受験・研究・就活と何かしらの夢や目標にひたむきに生きてきた自分にとって、そういう「人生を何にも懸けない」という状態はどうしてもエネルギーが足りないように感じてしまう。そして会社員になるとそういう状態が普通になってしまうのは残念なことだ。夢が無い。一言でいうとそういうことなのかもしれない。
 会社というのは堅実に大金を稼ぎ出す素晴らしいシステムで、そこでは堅実に働くことが求められている。その代わり、死ぬほど一生懸命になる楽しさや人生を懸けないと到達できない高みを味わうことはできない。会社員でいるということは、そういうことなのだと思う。
 「じゃあ何で会社員なんてやってんの。やりたいことはなんなの。リスクとってどんどん夢に挑戦すりゃいーじゃん」ということを考える。そういうことを先輩とか見ながら思うときに立ちはだかるのが二つ目の「子供の誕生」という巨大なライフイベントの存在だ。「子供の誕生が人生で最大の区切り」と考えても良いくらい、子供ができてからの人生とできるまでの人生は違うと思う。子供ができると、それこそ「死ぬほど一生懸命になること」が子供の養育になるからだ。「自分の人生の主役」が自分から子供になり、仕事は子供を支えるための手段の一つになる。そして自分の自己実現のためにリスクをとってやりたいけど不安定な職についたり、チャレンジをしたりすることは許されなくなる。そこでは、安定して高収入を稼ぎ出せる堅実な会社員は素晴らしい職業だ。だから、子供がいる人で、会社で堅実に仕事をこなして家族を養っている人を僕はすごいと思う。仕事自体には人生を懸けてなくても、子供が人生を懸けられる環境を整備することに人生を懸けているという意味では、「やりたいことをやっている」といえる。そして、実際自分に子供ができたら同じようにしていなかければならないだろうと思う。だから、極端な言い方だけど、「わがままな自己実現は子供ができるまでが勝負」だと思う。

何がいいたいか

 ごちゃごちゃ書いたけど、きちんと説明しないと理解してもらえないかと思って色々書いてしまうのは自分の悪い癖ですね。要するにいいたいのは、会社員というのは、子供がいて、安定して収入を稼ぎ出す必要がある人に最適化された職業であって、まだ夢を追いかけたい、人生の主役を我が子にするまえに、もう少し自分の人生を懸けて必死に生きてみたいと考えている独身野郎がやるべきものではない、ってことです。この思想を乗り越えて、今の職場で自分の人生を賭すに値する挑戦を見つけるか、別の環境にそれを求めるか。その決着をつけるのを今年の目標にしたい。
 最後に、3年前に今の会社に進路を決めた直後の自分の記事を読んでいて、すごく刺さった言葉があったので、引用しておきます。

もし、社会的同調圧力に耐えられずに丸くなっていく自分に気がつくことがあったとしたら、僕は勇気を出して環境を変えるべきだ。そして、どこか別の場所で、自分の棘棘しさを欲している場所を探すべきだ。それは、別の会社かもしれないし、別の生き方かもしれない。とにかく、自分の軸を突き通すためには、空気を読む必要は全く無いということだ。
丸くなる気はない - 日記なんで。

「研究者になりたい」という夢をいったん捨てて、「社会を知るため」に今の会社に飛び込んでからもうすぐ2年。社会とは何か、会社員とは何か、自分なりに一通りの理解が形成されつつある今が、人生で一番ニュートラルに自分の将来を考えられる時間だと思う。