漕ぎ出す覚悟


夜明け@鹿島灘にて釣りしながら

あけましておめでとうございます。毎回年末年始にここで、「去年の振返り」と「今年の目標」を書いているので、今年もやってみる。*1


まず去年の1月に立てた2014年の目標。

人生を懸けてますか - 日記なんで。
職場で自分の人生を賭すに値する挑戦を見つけるか、別の環境にそれを求めるか。その決着をつけるのを今年の目標にしたい。

結論、僕の選んだ道は、後者の「別の環境にそれを求める」だった。その内容は前回の記事に書いたとおりだ。ただ、それを「決着」といえるほど自信を伴った意思決定にすることはできなかった。この選択が正解なのかどうかは、未だに自分でも分かっていない。「やりたいことを仕事にしたい」という目的はもちろん前提としてある。だけど果たして、前者の「職場で自分の人生を賭すに値する挑戦を見つける」ことは、本当に出来なかったのだろうか。現に、今の会社の先輩には、各方面で専門家として第一線で活躍している人がたくさんいる。そのような選択をする余地は、自分には本当になかったのだろうか。「修士過程でやりかけた研究を極めたい」という動機だけで、いろんな業界を相手にいろんなコンサルや調査ができる、今の会社の仕事を全否定することができるんだろうか。
 この問に対して、色々考えたけど、

僕は今の会社の仕事の「内容」を好きになる可能性はあっても、サラリーマンの仕事に対する「考え方」に順化することがどうしても受け入れられない

というところが根源的にこの選択を支えているような気がしている。正直、「会社員をやる」前提なら、今の会社が自分の知る限り一番面白いことができそうだし、ここで本気出して天職を見つけて、安定した生活を享受しながら幸せになれる自信もある。だけど、1回しかない人生の進路を、本気で、根源レベルで考えるにあたっては、その前提を取り除いて考える必要があって、そうしてみたときに、もっと面白い可能性が外に転がっているのを見過ごす選択はできない、という結論になった。
 だから、僕は「取組む仕事の内容」ではなくて、「会社員としての生き方の外に可能性を見出したいこと」を退職の理由として前面にださなくてはならない。というか、そうしなければ、自分自身でも納得いくような退職理由の説明が出来ない。それくらい、自分の選択に自信が持てていないということだ。明日から幾度となく会社で退職理由を問われることになると思うんだけど、死ぬほどお世話になった先輩達に誠実に自分の意思を伝えるためにも、ここは一番自分の中でも明確にしておかなければならないところだと思っている。
 ・・・と、ここまで書いたけど、やっぱり、合理的に退職理由を説明するのは難しいな。正直なところ、本当にシンプルに、一番ストレートに、自分の気持ちを表現すると、

 できるだけ自力でサバイバルするほうが、できるだけ異端なキャリアを歩むほうが、できるだけ将来が分からないほうが面白そうだから、飛び降りるほうを選んだ。

ということにつきる。違った言い方をすると、

大手シンクタンクで働いた人間がアカデミアに戻って色々持ち込んでかき混ぜることで、どんな化学反応が起こるか試してしてみたい

ということなんだと思う。
2015年の目標は、この化学反応の収率を最大化するためにちゃんと行動して、交換不可能な人間としての地位を築くことになる。何が起こるかわからないし、間違いも正解も無い。こういうときは、できるだけ自信満々にふるまって、早くたくさん行動するほうがどっちに行けば良いかが見えやすいはずだ。常に、できるのは自分しかない、やるなら今しかない、くらいの気概で、積極的に行動を起こしたい。またそのためにも、安定を捨てた身分だからこそ見えてくることや、浮かんでくる自由な発想を、できるだけ殺さずに表に出していきたい。こんだけ異端なことをやるんだから、自分にしかできないことをやりまくらないと意味が無い。
正直、本当に、将来どうなるか、見えてない。だけど、その見えなさをできるだけ楽しむために、できるだけ分からない道を選んだ結果が今なのだから、誰も通ったことが無い道を、だれもついてこれないところまで、自分の力で進んでみるという体験を、旅に出かける前みたいなワクワク感で迎えたい。今後感じずにはいられないだろう、王道を外れて生きることに対する後ろめたさも、余すことなく推進力に変換して行動に反映させたい。
 というわけで、まずはこの3ヶ月、何が起こるのかまったく想像がつかないレベルに激動なんですが、なんとしても4月を迎えるために、フルスロットルでがんばります。

*1:ちなみに過去の振り返り(以下)も今一度、読み返したけど、やっぱり面白い。これまでの自分の考えや行動が今の自分に反映されているのが良く分かる。自分の振り返りの糧として、これからもこの場所はできるだけ続けます。
2013 2011 2010 2009 (2012はなかった)