持たざるものの機動力


有給消化でアメリカ行ってました@セブンマイルブリッジ

 先月末で3年間勤めた会社を退職しました。死ぬほど入りたくて入った会社で、面接では文字通り涙ながらに志望動機を説明し、同業他社の高給のオファーを断って、この会社で得たいものがあって入社しました。そして入社前の思いの通り、一通り経験をさせてもらい、目的も達成でき、とても有り難く思っています。お世話になりました。その分、自分も文字通り命を削って会社の稼ぎに貢献したつもりです。その後結局、会社に人生を託すという選択が自分には合わなくて、離れる決断をしましたが、仕事内容や仕事仲間がいやになったわけでは決してなく、ただ自分が性格的に会社員の考え方に不適合だったという、それだけの理由なんだと思います。ありがとうございました。
 というわけで、まぁ言いたいことはたくさんありますが、会社員人生の振り返りはおいおいできればと。激動の3ヶ月を終えて、なんとか今月から晴れて研究者になりました。(学生とは言いたくない。プロの研究者のつもりでやります)
 今はとにかく勘を取り戻して、早く社会人並みのアウトプット密度で研究を回して、周囲に追いつきたいという一心だけど、まぁそんなに簡単なわけなく、勉強することが多すぎて途方にくれる日々。ただ毎日ワクワクで、自分はこの生き方で良かった、ということは自信をもって断言できる。楽しい。
 一方で徐々に見えてくる失ったものの大きさもある。給料は激減だし、社会保険や福利厚生がどんだけ恵まれていたか、色々な手続きをするたびに改めて大企業の恵まれていた環境を痛感する。そして本当に、自分はそれを捨ててしまったんだなと。少しずつ実感がわいてきている。よっぽどのことがなければ、二度とあのレベルの生活はできまい。まぁ、今までがおかしかっただけなんだけど。
 けど、この何も守られてなくて、頑張って将来切り開くしかない感じ、懐かしいし心地よい。やはり、仕事は命を懸けてやらなければ楽しくない。そして、もう後ろには何もないからこそ、失うものを気にせず、大胆な手段をとれる。守るものがないから、全リソースを攻めに投入できる。成功するには動くしかないし、失敗しても全部自分の責任だ。決めるのは全部自分だ。失ったものの重さを感じながら、それを上回る「持たざるものの強さ」を発揮していきたい。