楽しくてしょうがない日記


ねこ@竹富島

 退職した人の常として、「辞めてよかったぜ!」と言いたいというのがあると思っていて、それはやっと外に出て自由にモノが言えるようになった解放感と、自分の選択を肯定したいという不安から来るものだと思っているけど、当人は本当にそう思っているつもりで言っていることが、往々にして無意識のうちに他人の生き方を否定して不快にさせているということがあるなぁと思っていて、あんまりリアルでは言わないように我慢しているのだけど(それでもちょくちょく言ってしまうのだけど)、まあせっかくこういう場所があるんで、思いっきり言わせてもらいたいのが、

マジで会社を辞めてよかったすぎる。毎日あり得ないほど楽しくてヤバい

ということだ。もっというと、

会社を辞めないという選択肢を残していた自分が本当に恐ろしい、危なかった

とすら思う。
 理由はとにかく「自分は研究者に向いている」ということでしかないのだけど、具体的には「辞める前に考えていたことがあまりにも今振りかえってもその通りすぎる」ということなのだと思う。会社員時代に「こういう仕事ができればなぁ」と思っていたことが「今あたりまえにやってて楽しい」ことになっているし、会社員時代に「つまらない」と思っていたことは「今考えても本当につまらない辞めてよかったこと」になっている。もう少し後悔するかと思っていたのだけど、あまりにも思っていた通りすぎて戸惑ってしまうレベルだ。
 僕は今、毎日、自分が専門家だと胸を張って言える仕事をしている。世界を相手に英語で仕事をしている。頑張りは搾取されず報われる。茨の道だけどそれを楽しんでいる。しかも田舎に住んで自転車で季節や天気の変化を感じながら研究室に通える。自炊して6時間寝れる健康的な生活をおくれる。そして何より、研究が順調で、毎日がワクワクの連続で、面白い発見が次々と出てきて、面白いストーリーが次々と思い浮かぶ。これから論文をどんどん書いていけそうだし、そこに社会人経験が確実にプラスに効いてくれる感覚がある。一年かけて、様々な学会に出て、様々な研究者と話をして、一通り情勢をつかんだことで「どれくらいやれば生き残れそうか」という感触も得られた。あてもなく大海に漕ぎ出したけど、不安は増大する方向よりも、減少する方向に向かってくれている。このまま毎日「楽しい楽しい」といって一生懸命仕事していれば、なんとかなりそうな気がする。気がするだけだけど・・・
 そんなわけで、もう本当にどうしようもないくらい毎日が楽しいのです。正直、会社員の頃は「毎日作業的に生きてるだけだし、一瞬で死ねて、死んで悲しむ人がいないのならいつ死んでもいいよね」という考えで普通に生きていたけど、今は「未来が楽しみでしょうがないので絶対に死にたくない!」と毎日思って生きていて、しょうもないけど、事故や怪我で人生を台無しにしないよう、ものすごく気を付けて生きるようになった。
 今年の年始に立てた目標では「交換不可能な人間としての地位を築くこと」というのを書いた。まだ達成できてはいないけど、年初のとんでもない不安の中でさまよっていた頃からすれば、この1年で達成できそうな道筋が確実に見えてきた。来年の目標は「全てにおいて今のペースを維持する。何ならさらに加速する?」というところでしょうか。具体的には、少なくとも論文を3本は出して、将来の就職先の目途を立てるところまでいきたい。というわけで、楽しさのあまり書きなぐったおもんない日記でした。ではまた来年。