全寝

 今日は全寝した。僕が布団の中でひたすら惰眠をむさぼっている一方で、外ではいつも通りの一日が繰り広げられていた。今の僕には「責任」と呼ばれるものが一切ないということを感じた。仕事もないし、家庭もない。今僕が死んで、悲しんでくれる人はいるだろうけれど、困る人はいないだろう。それでいながら、日本という便利で安全な国での生活を享受している今の自分は、世界の中でも最もお気楽な人間に分類されると思う。この先何が起ころうと、僕に「自分が味わった苦労を味わわずに済む人間を恨む権利」が発生することはないだろう。