色々見せつけられた

 今日はとあるコンサル会社の選考でグループディスカッションをしてきた。議論で戦うときに一番必要なのは自信だ。行きの電車の中で自信満々な自分をイメージし、自己洗脳してから会場に向かった。
 議題はコンサルで良くある「○○の売り上げを伸ばす戦略を立案してください」というやつ。全体として議論のガツガツ度が低かったのもあり、時間内に結論が出る気配が無かったので、僕が先を急ぐよう場を誘導したのだけど、うまくいかなかった。とりあえずは、論理的なプロセスを経て、一つの結論を出せたのだけれど、わき道にそれるのを恐れて可能性を絞りすぎたせいで、出した結論が他の案と比べてが本当に有効かどうかを検証することができなくなってしまった。結局、社員の人に色々と問題を指摘された後、その場で落選を伝えられて帰還してきた。
 問題は明確だ。今回の議論には論理性はあったが、発想力が無かった。結論に至るまでの論理は良かったと思うが、それはあくまでその場で出てきた前提に基づく話で、他の切り口の下では、全く別の結論もありうる。その「他の切り口」が今回の議論では上手く出てこなかった。山登りに例えれば、登る所が無くなるまでは迷わずたどり着いたけど、わき道にそれるのを恐れすぎたせいで、そこが本当に目指していた頂上なのかが分からない、という状態。思うにグループディスカッションは論理力よりむしろ発想力をアピールする場なのだろう。
 では発想力つまり物事を様々な視点から切る能力を獲得するためにはどうしたらいいのだろうか。考えてみたが、これには、「普段から色々考えておく」という答えしか無いように思う。コンサルタントと言うのは広く浅く知っていることが仕事のようなものだから、この能力が問われるのは良く考えてみれば当然だ。同時に、研究と言う狭く深い分野に身を置いている自分がこのような能力を欠いているということも、当然だと思う。これを機に、自分の生活に関係なさそうな社会の仕組みに関しても、もっと真剣に考えなければならないと思った。就活は自分のダメさが良くわかってとても勉強になる。