地獄からの生還

 学校祭に殺人鬼が現れて、周りはほぼ全員殺されて、もはや自分が殺されるのも時間の問題と思った僕は、事態を打開するべく逃げながら必死で思案し、近所に住むとある人物が数日前に自分を家に招待する案内状を送ってくれていたことを思い出し、とりあえず助けを請うべくその人物の家に向かう。ところが、その人物が住む建物には凄まじく強固なセキュリティのかけられており、送られてきた案内状が無いと入れないとのこと。その建物には赤外線探知やパスワードなど、無数の難解なセキュリティが組み合わされてかかっているが、愚かな事に、送られてきた案内状にはレーダーをキャンセルする装置や、パスワード暗号表などがすべて一式になって入っており、その案内状さえあれば誰でも全てのセキュリティが解除できることになっていた。早速僕は案内状を取りに帰るため急いで自宅へ向かう。家に戻ると、ぐしゃぐじゃに荒らされていた。なぜか床一面が虫の卵や蛹で埋め尽くされており、踏みつけるたびに凄まじい数の成虫が飛び出してきて顔面を襲う。ひるみながらも、なんとか案内状の置いてある部屋まで行くと、ちょうど後ろから殺人鬼がやってきた。絶体絶命。が、良く見ると殺人鬼の後ろには良く知っている人が笑いながら立っている。「大丈夫!?」と聞きながら駆け寄ると、ちょうど殺人鬼の影になって見えなかったその人の首元が見えて、表皮がきれいに削がれて左右にぶら下がった状態になっているのが見えた。その人は少し笑って答えた。「ナイフで自分の首を削ぐところを見せれば殺人鬼もドン引きして襲ってこんくなったわ。」信じられないやり取りをしている間にも殺人鬼は淡々と様子を伺っている。どうやら案内状を狙っているらしい。これを盗られてしまったら殺人鬼が全てのセキュリティを通過してしまうことになり、大変なことになる。僕はここで自分の首を削ぐべきなのか!・・・・・という、グロくてリアルで難解で意味不明な夢を見た。一体脳のどこでそんなこと考えてんだ。おそらく、ここ数日、何かにとりつかれて死ぬかもしれないという妄想が正当化されうるレベルでひどい体調だったことが影響しているのだろう。まさに地獄からの生還にふさわしい悪夢!ようやく通常の物が食えるようになり、頭痛も引き始めた。咳はまだとれない。
 健康的生活への復帰と題し、今日は一ヵ月ぶりくらいに9時台に学校から帰り、一ヵ月ぶりくらいにきちんとした夕食を家で自炊した。ネギだくダシダシ肉うどん・湯豆腐の替え玉付。

自炊の利点は食いたいものを食いたい量だけ食いたい味付けで、比較的安く食べることができることだ。だけど、作ったり片付けたりすることを考えると、どう考えても時間的な割に合わないと思った。惣菜やインスタント食品や外食で済ませてしまえば、はるかに短時間で効率的に、生きるための栄養を摂取することができる。しかも、ちゃんと考えてお金を使えば、自炊と大して変わらない金額でやりくりできる。プロが作るのだから、まずいわけでもない。もし自分が時給3000円の仕事をしていたとしたら、自炊より500円高くてバランスのとれたものを外で食べることで、自炊していたら失ったであろう30分を仕事に回して1000円を回収する方が合理的なのではないだろうか。その場合、自炊が正当化されうるのは、自炊により1000円分以上の喜びが得られる場合だけだ。生きている時間が全て財産であるというビジネス思考に立つと、選択肢多き現代日本における一人暮らしの自炊というのは趣味以外では正当化し得ないのだと感じた。とりあえず今日のうどんからは膨大な幸せを回収できたので、正当化しといた。
 それにしても11月は忙しかった。いや、あえて忙しくすることで、「どこまでやれば死ぬのか」ということを今のうちに知っておこうという、社会人生活に対する恐れがなせる業だった。まぁ実際最後は地獄に墜ちたわけで、しかも偶然にもそれが11月の締め切り直後だったわけで、色々ちょうど良かったわ。そんなわけで、まぁ振り返ろう。10月後半から続けていた携帯の睡眠時間記録アプリのデータを公開。

横軸が日、縦軸は時間。1ヵ月半の記録から分かったことを箇条書くと、

  • 毎日6時間寝てれば通常営業が可能(全体の平均睡眠時間が6:25)
  • 5時間台でも通常営業はできるが、3日目くらいで昼のパフォーマンスが下がり始める
  • 4時間台だと一日目でも結構パフォーマンスが落ちる
  • 疲労が溜まっているときでも8時間ほど寝れば回復するけど、精神的には10時間くらい寝たい感じ

が、実際一番効いているのは周期的なもののような気がする。「あんま寝なくても大丈夫なフェーズ」と「寝ても寝ても眠いフェーズ」があるというのは、かねてからの主張だったのだけど、実際グラフが周期20日くらいの波を描いているように見えなくもないことから、やっぱこの周期は存在するのだと確信した。
 まぁあと分かったのは、在宅時間は睡眠時間+40分まで短縮できるということ。帰ったらいかにすぐ寝るかを考え、起きたらいかにすぐ出るかを考える。朝飯を買い食いにしたり、髪型を坊主にしたりすればさらに20分くらいは短縮できるだろう。
 とりあえず、どれくらい働いたらおかしくなるのかと、どれくらい一日で仕事が進むのか、という感覚がつかめたので、安心して社会人になれそうだ。まだ論文には手直しが入る予定なので、締め切りを利用して次は「忙しい中いかに効率よく仕上げて帰り、家で飯を食うか」というテーマに挑む予定。最近読んでなかった本も読みたいし、ブログの更新頻度も上げたい。じっくり反省したり、じっくり将来を考えたりする時間がもっと欲しい。追われる生活の先には地獄しかない。