就活は宗教だ

 ここんとこ就活で毎週のように新幹線に乗っている。最初は滅多に乗れないから興奮していたけどそろそろ飽きた。内定はまだないけど、最終段階まで進んできたところもあって、一つの会社に対して考える時間が増えてきた。と同時に、もう面接慣れは十分だと思ったので、志望度の低い会社は全て切って、本当に進学よりも魅力的だと思える場所にリソースを集中させることにした。それで全部落選したなら進学する。就活を通じて、工夫すれば進学しても自分の欲求に応える事はできるかもしれない、という気分になってきたからだ。


それにしても、就活ってアホらしい。

説明会の宗教的空気

・やたら元気に挨拶 (基本)
・コートは建物の外で脱ぐ (社会人がやっているのを見たことがない)
・演者が話し終わったらすかさず拍手 (一番最初に拍手するやつが悪い)
・やたらとうなずく・メモる (手段と目的が逆だと思うのです)
・質問内容に業界研究してますよアピールを織り交ぜてくる (うぜー)

こういうのが我慢できない僕には「形式ばったお堅い空気」が本当に合わないのだと感じる。正しい部下が間違った上司に逆らえる、完全実力主義の会社のほうが僕には絶対合っているし、そういう環境で働いている人のほうが僕には圧倒的に魅力的に見える。昇進する方法が「上司の言いなりになること」なんて本当にやってられない。仕事をちゃんとこなし、お客を不快にさせない程度のマナーを身につけていれば、何を着ようと、何時に来ようと、どんな意見を言おうと、別にいいじゃんか、と思う。

ブラウザ更新大会

 説明会の予約埋まるの早すぎ。早いときは掲載後10分とかで全部満席になるんですけど。ゲーム機の予約じゃあるまいし。その時間にゼミがある人は来るなってことですよね。分かりました。
 あと、深夜の個人用ウェブページが重過ぎる。ESの提出期限が迫ってるんですけど。送信ボタン押して、散々待たされた挙句「エラーのため強制ログアウトしました」って出ると壁殴級にムカつく。もう10回くらい蹴られてるんだけど。今も冷や汗垂らしながら更新ボタンを連打している人が日本中にいるんだろうな。学生をナメすぎ。いや、もてあそびすぎ。

詭弁で勝てるグループ茶番ディスカッション

 GDの対策に関してはいろいろ真剣に考えてきたつもりだけど、結局のところ、これって「納得させたもの勝ち」なんですよね。本当は客観的データに基づいて論理的に正しい意見を言いたい所だけど、GDって往々にして時間もデータも無くて、抽象度が高いままで議論が進んでいく。しかも初対面の相手はどういう価値観を持っているのか全く予測がつかない。こういう環境で「正しい議論」を目指すのってとても時間的にも客観性的にもリスクの高いことだと思う。じゃあ選考では何が見られているかっつーと、

出てきたアイデアに対し、適当に後出しの解説をつけ、みんなを納得させて、落としどころをつける力

これに尽きると思う。僕は「後付の解説」をつけるのが得意なので、こう割り切ってからはGDが全然怖くなくなった。これからはGDではなくGCD(グループ茶番ディスカッション)と呼ぶことにしよう。

 

運ゲー

 最後はやっぱりこれ。「就活は恋愛に同じ」とはよく言ったもので、会社選びも結局

出会いは偶然、決め手は思い込み

なんですよね。これは学生の目線から見ても、会社の目線から見てもそうだと思う。最初にどうやってその会社を見つけるかなんて本当に偶然で決まるし、面接官と趣味が合って話が盛り上がっただけで採用されてしまうかもしれない。
 学生も会社も一生懸命客観的になって、お互いを選ぶのに何らかの軸を持ち出して優劣をつけようとするけど、そんな簡単に軸に乗るもんじゃない。結局最後に判断するのは人間だ。だから根源的には「この人(会社)は自分にとって特別な存在に違いない」という根拠のない思い込みが、互いにとっての決め手となっている。
 就活にあたって、一生懸命あーだこーだ考えるけど、どうせ最後は「偶然と惚れ」で決まるんだから、なすがままにやって、直感で好きになったところ選べばいっか、ってのが最近の心情だ。